
あなたはバスケの試合中に「ボールを持つのが怖い」と感じたことはありませんか?
「ボールを持ってもシュートまで行けない」
「ドリブルをしてもミスばかりしてしまう」
「自分がボールを持つとパスカットばかりされてしまう」
特に始めたばかりの人は対戦相手から標的にされやすくプレッシャーをかけられがちです。
私も30代でバスケを再開したての頃はミスしてボールを失ってばかりで、正直「こっちにボール回さないでくれ!」と思っていました。
今回はそんな「ボールを持つのが怖い人」に向けてボールを持たなくてもチームに貢献する方法をお伝えします!
社会人バスケの第一歩としてまずはボールを持たないプレーを学んでいきましょう!
社会人プレーヤーこそスクリーンから学ぼう!
結論から言うとボールを持つのが怖いと感じている初心者は最初に「スクリーン」を学ぶべきです。
スクリーンプレーを理解し使いこなせるようになることで、あなたが試合中に感じている不安は解消されます。
まずは自分の中で「スクリーンに徹する」と決めることで試合中の不安をなくし、そこから時間をかけてプレーの幅を広げていきましょう!
スクリーンとは
スクリーンとはボールを持っていないチームメイトがディフェンスの進行方向に立って壁となり相手選手の動きを妨げるプレーのことです。
スクリーンをかける人(スクリーナー)は相手ディフェンスの動きをブロックする位置に立ちます。
スクリーンを使う人(ボールハンドラー)はスクリーンを使ってディフェンスを振り切ることで攻めを有利に進めます。
ここからはスクリーンをおすすめする理由を解説していきます。
社会人プレーヤーに最初はスクリーナーをおすすめする理由
ここからが今回の記事の肝です!
社会人プレーヤーは最初はスクリーナーになるべき理由を説明します。
結論から言うと「社会人プレーヤーの特徴」と「スクリーナーの特徴」がマッチしているからです。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
社会人プレーヤーの特徴
社会人プレーヤーの特徴は以下の3点です。
- 学生時代に比べて練習時間が取れない
- 身体能力の向上が難しい
- 学生よりコミュニケーション能力が高い
1つずつ解説していきます。
学生時代に比べて練習時間が取れない
社会人プレーヤーの特徴1つ目は学生時代に比べて練習時間が取れない、ということです。
学生時代は部活でバスケをしていれば平日は毎日練習することになりますし、土日に試合をすることになります。
強豪校ともなればチーム練習のあとに個人練習をするなど「学生時代の中心はバスケだった」という人も少なくないと思います。
ボールハンドリングやシュートタッチなど反復することで精度が上がっていくタイプのトレーニングをやれば実力がメキメキ向上していくでしょう。
それに比べて社会人になるとバスケの時間を確保することが難しくなります。
多くの社会人は朝から晩まで仕事をしていますし、家族がいる人は家族の時間を作る必要があります。
そのため、社会人でバスケを始めたての人がチームで活躍するためには少ない時間の使い方が重要になってきます。
身体能力の向上が難しい
社会人プレーヤーの特徴2つ目は身体能力の向上が難しい、ということです。
バスケをするうえで身体能力の向上は必須です。
しかし、年を取ると徐々に体は衰えていき身体能力の向上が難しくなります。
中でも一番の問題は年を取るとケガをしやすくなり、ケガの治りが遅くなることです。
身体能力はトレーニングによって体を追い込むことで向上しますが、疲労が蓄積するほど正しい動きを維持できなくなりフォームが崩れケガをしやすくなります。
そのため、社会人がトレーニングをする際は正しいフォームを意識してケガをしないことを最優先に行う必要があります。
これが「社会人は身体能力の向上が難しい」と言われる理由です。
社会人が身体能力を向上させるには長い時間と地道な努力が必要になります。
そのため、社会人のバスケ初心者が真っ先に取り組むべきは別の課題になります。
学生よりコミュニケーション能力が高い
社会人プレーヤーの特徴3つ目は学生よりコミュニケーション能力が高い、ということです。
社会人であるあなたが学生時代より優れているものは「コミュニケーション能力」です。
そんなふうに言われると
「いやいや、学生時代は陽キャだったけど今はすっかり陰キャになっちゃったよ」
「学生時代の方が言いたいことを言えてたと思います……」
と思った方もいるかも知れません。
確かに「コミュニケーション能力」と言われると陽気でよく喋る「性格」をイメージしますよね。
しかし、実際にはそうではなく「コミュニケーション能力」は他者と意思疎通を上手に図る能力のことを言います。
つまり「性格」ではなく「スキル」なんです。
あなたが他者と話すときに学生時代のように話せないのは「見知った友人」ではなく「付き合いの浅い他人」だからであり、学生時代より経験値があることで慎重になっているからです。
あなたのコミュニケーション能力が低下したからではありません。
人生経験を積み相手のことを考えて慎重に言葉を選んでいるからこそ口数も減っているのです。
この年齢や背景が違う人達と上手に意思疎通する能力がバスケにも大いに役立ちます。
以上、3点が社会人プレーヤーの特徴です。
ここからはそんな社会人プレーヤーの特徴にマッチした「スクリーナーの特徴」について解説していきます。
スクリーナーの特徴
ここからはスクリーナーの特徴や求められる能力について解説します。
それは以下の3点です。
- ボールを使ったスキルに比べて反復練習が少なくて済む
- 身体能力よりも頭を使う要素が大きい
- 味方とのコミュニケーションが超重要!
これが先ほどの「社会人プレーヤーの特徴」とマッチしている点です。
さっそく1つずつ見ていきましょう。
ボールを使ったスキルに比べて反復練習が少なくて済む
スクリーナーの特徴1つ目はスクリーンという技術を覚えるのに必要な練習が少なくて済む、ということです。
先ほど「ドリブルやシュートタッチを向上させる練習は反復が必要である」という話をしました。
これらのスキルは続けないと上達できませんしサボってしまうと衰えてしまいます。
効果を実感するには長い時間と労力が必要になります。
それに対してスクリーンは言ってしまえば壁になってディフェンスの動きを妨げるだけです。
そこに繊細なタッチも流れるようなフットワークも必要ありません。
大事なのはスクリーンプレーの深い理解です。
今はYouTubeなどでもスクリーンについて学ぶことができます。
これが時間のない社会人プレーヤーにマッチしている点です。
身体能力よりも頭を使う要素が大きい
スクリーナーの特徴2つ目は身体能力よりも頭を使う要素が大きい、ということです。
まず前提として、バスケは身体能力がものを言うスポーツなので身体能力が高いほうがあらゆる面で有利です。
スピードは速ければ速いほどいいですし、パワーも強ければ強いほどいい、持久力も高ければ高いほどいいのは間違いありません。
スクリーンについても例外ではなく身体能力の高い選手がスクリーナーになった方がその後の合わせなどで有利になります。
しかし、身体能力が高ければなんでも上手くいくかと言われるとそうではないのがスクリーンの面白いところです。
先ほどスクリーンは「壁になってディフェンスの動きを妨げるだけ」と言いましたが、やみくもに仕掛けても上手くいきません。
タイミングを図りユーザーの行かせたい方向を考えて仕掛ける必要があります。
つまり、スクリーンは他のプレーに比べて頭を使う要素が大きいということです。
社会人プレーヤーの特徴の中で社会人は身体能力の向上が難しいという話をしましたが、この身体能力の低さを補うのがスクリーンによる頭脳プレーです。
味方とのコミュニケーションが超重要!
スクリーナーの特徴3つ目は味方とのコミュニケーションが超重要!という点です。
スクリーンというと「ボールを持っている人の合図で仕掛けに行く」というイメージを持っている人が多いと思います。
「合図さえわかっていればコミュニケーションなんて必要ないのでは?」
と思う人もいるかも知れません。
しかし、実際は合図をすれば相手にもバレてしまいスクリーンを警戒されてしまいます。
ですから多くの場合は味方がスクリーンを欲しがるタイミングを見計らって自発的に仕掛ける必要があります。
そのためには普段から味方の得意なプレーを学び、「誰をどの方向に行かせるか」を考えて仕掛ける必要があります。
そこで必要なのがコミュニケーションです。
一番てっとり早いのは、あらかじめ味方にどこでどんなスクリーンをほしいか聞いておくことです。
それをもとにスクリーンを仕掛けてみて上手くいかなかったらどこが悪かったかを話し合うといいでしょう。
ほとんどの人は「なんとなく仕掛けて」「上手くいかなくて」「特に理由を考えず」「同じ失敗を繰り返す」というパターンになりがちです。
上手くいかないときはお互いネガティブな感情を持ちがちなので冷静に改善策を話し合うことが難しいこともあります。
しかし、社会人であれば誰でも上手くいかない状況を話し合って解決した経験があるでしょう。
社会人としての経験をもとに「なぜ上手くいかなかったか」をお互いに話し合い改善し続けましょう!
最初に覚えるべきプレー
ここまでの話で「バスケを始めたての社会人こそスクリーンを覚えるべし!」ということが分かっていただけたと思います。
では実際にどんなスクリーンをかければいいのでしょうか。
本日最後のトピックとして「初心者が最初に覚えるべきスクリーンプレー」について解説します。
今回お伝えするのは「トップへのスクリーン」になります。
トップとはコートの中央付近、3ポイントラインの上を指します。
その位置でボールを持っている選手のディフェンスに対してスクリーンをかけるということです。
なぜトップへのスクリーンを最初に学ぶのか
トップへのスクリーンを最初に学ぶべき理由はいくつかあります。
まず1つ目は「スペースと視野の広さ」です。
トップへのスクリーンはコートの中央付近で行われるためボールハンドラーにとって左右どちらにも展開できる選択肢が生まれます。
また、トップの選手はコート全体を見渡せる位置にいるためスクリーン後のパスの選択肢も多いことが特徴です。
これによりディフェンスをより広い範囲で崩すことができます。
2つ目は「全体的なオフェンスの流れを作れること」です。
トップへのスクリーンはオフェンス全体の流れを活性化させやすくボールとプレイヤーの動きをスムーズにします。
中央からのプレーは他の選手にも影響を与えやすくオフェンス全体の連携が向上します。
3つ目は「仕掛けるチャンスが多いこと」です。
というのもトップは攻めの起点になる位置であり最もボールが集まる場所です。
仕掛けるチャンスが多いので初心者は「トップにスクリーンをかける!」と決めていれば「何をしたらいいか分からない」ということが起きにくいです。
オフェンスの一番最初はあなたがトップの選手にスクリーンを仕掛けるところから始めましょう!
スクリーンの動き
具体的なスクリーンのかけ方について解説します。
スクリーンをかける選手はボールハンドラーにつくディフェンスの真横〜斜め後ろに位置します。
ボールハンドラーが左右どちらに進むかを予測してその進行方向に対して垂直になるようにスクリーンを設置します。
例えばボールハンドラーが右に進む場合、スクリーナーはディフェンダーの左側に立ち右側からボールハンドラーがスクリーンを使って進めるようにします。
位置についたら足を肩幅よりやや広げて立ち腰を落として少し前方に体重をかけます。
こうすることでディフェンスにぶつかってもバランスを崩さない強い体勢が作れます。
スクリーンをかける際の注意点
スクリーンを成功させるにはいくつかコツがあります。
- ディフェンスに気づかれないよう視界の外から素早く近づく
- ボールハンドラーの進行方向と垂直に立つ
- ディフェンスに密着し隙間をあけない
- スクリーンをかける際は動かない
順番に見ていきましょう。
ディフェンスに気づかれないよう視界の外から素早く近づく
スクリーンをかける際は相手に気づかれないように仕掛けることがとても重要です。
スクリーンが事前にバレていたら当然ですが相手はかからないよう準備してきます。
相手に準備する猶予を与えないよう気づかれずに相手の視界の外から接近します。
また視界の外から接近してもノロノロと移動していては周りのディフェンスから「左からスクリーン来てるよ!」といった具合に教えられてしまいます。
周りが声をかける間もないように素早く動きましょう。
もしくはパスをもらいに行くふりをして接近し実はスクリーンだった、というのも有効です。
ボールハンドラーの進行方向と垂直に立つ
これは先ほども触れましたがスクリーナーはボールハンドラーの進行方向と垂直に立つことが鉄則です。
そうすることで肩幅の広さを壁のように使うことができ相手にとって避けにくいスクリーンができます。
ディフェンスに密着し隙間をあけない
スクリーンをかける際はディフェンスとの間に隙間を作らないよう密着してください。
隙間を作ればディフェンスに避ける余地を与えてしまいます。
とはいえ相手にぶつかりに行ってはファウルになってしまいます。
至近距離まで接近し止まってから密着し少し体重をかける、というのがさり気なく厄介だと思います。
また、「隙間をあけない」と言いましたが例外としてディフェンスの真後ろで密着してはいけません。
ディフェンスの真後ろから密着したスクリーンをするとこれもファウルになってしまいます。
真横〜斜め後ろを意識してください。
スクリーンをかける際は動かない
スクリーンをかけるときは壁のように止まっていなければいけません。
すり抜けようとするディフェンスに対し足を動かしたり、肘や腰を突き出して当てようとしてはいけません。
ファウルになりますしなにより危険です。
スクリーンをかけた後の動き
ここではスクリーンをかけた後の動きを簡単に解説します。
スクリーンをかけた後は多くの選択肢があります。
とは言え今回はバスケを始めたばかりの初心者を想定しているので簡単にできる方法を一つお伝えします。
スクリーンに成功してディフェンスを引っ掛けることができたら、シンプルにゴール下に走ってください。
ここでパスを受けてゴール下シュートを決めることができたら満点ですが、おそらくそう簡単にはいかないでしょう。
ゴール下は得点に直結する超重要なエリアなのでディフェンスはゴール下にいるオフェンスをフリーにすることはありません。
必ずほかのディフェンスがカバーするために寄ってきます。
でも、それでいいんです!
あなたはドリブルもパスもシュートも苦手な初心者です。
そもそもゴール下に走りながら狭いエリアでパスを受けてシュートをすることは困難です。
だとしても相手としてはゴール下でフリーのあなたを放置することはできません。
必ず別の選手がカバーしてきます。
別の選手がカバーしに来たということは本来そのディフェンスがマークしていたオフェンスが空くことになります。
ボールハンドラーがそのズレを見逃さなければ空いたオフェンスがボールを受けることができます。
これこそが現段階のメインシナリオです。
「せっかくスクリーンしても自分じゃ点取れないのかぁ……」
このように思った人も多いと思います。
私も学生時代だったらそう思ったかもしれません。
でも、自分のスクリーンによって相手のディフェンスシステムを崩すことができたら?
……わくわくしませんか?
大人になると相手の戦術を壊すことに新しい快感を得ることができますよ!
スクリーンがかからなかったら
最後に「もしもスクリーンにかからなかったら?」を解説します。
これまで説明したようにスクリーンは簡単にできて非常に有効な戦術です。
当然相手もスクリーンを警戒しています。
バッチリ嵌まることのほうが少ないでしょう。
とは言え上手くいかなくても何度も繰り返せるのがスクリーンのいいところです。
スクリーンが上手くいかなかったらボールハンドラーが別の攻め手を探せばいいだけです。
24秒の中で最も確率が高いシュートができるよう攻めを継続させましょう!
まとめ
今回の内容のおさらいです。
今回は初心者の社会人プレーヤーに向けてスクリーンの有用性をお伝えしました。
その中で社会人プレーヤーの特徴とスクリーナーの特徴がマッチしているということもお伝えしました。
社会人プレーヤーの特徴は
- 学生時代に比べて練習時間が取れない
- 身体能力の向上が難しい
- 学生よりコミュニケーション能力が高い
スクリーナーの特徴は
- ボールを使ったスキルに比べて反復練習が少なくて済む
- 身体能力よりも頭を使う要素が大きい
- 味方とのコミュニケーションが超重要
また、最初に覚えるべきプレーとしてコート中央の3Pライン上を指す「トップ」へのスクリーンを解説しました。
注意点は以下のとおりです。
- ディフェンスに気づかれないよう視界の外から素早く近づく
- ボールハンドラーの進行方向と垂直に立つ
- ディフェンスに密着し隙間はあけない
- スクリーンをかける際は動かない
そして、スクリーンをかけた後はゴール下に走ってディフェンスを引き付ける
最後に、スクリーンがかからなくても気にせず次の攻撃を継続する。
これらのことをお伝えしました。
スクリーンは簡単に実践できる分使いこなすには深い理解と細かなテクニックが必要です。
しかし、理屈さえわかればすぐに実行できるうえに失敗してもボールを失わないことが初心者に優しい点です。
バスケを始めたばかりで自分が活躍できるイメージが沸かない人はまずスクリーンで味方に貢献してみましょう。
続けていけばもっと楽しくなっていきますよ!
ではまた!